2015年3月15日開催、2014年度・第6回(通算59回)「集い」報告書


  早春賦の歌詞「春は名のみの・・・」で「集い」案内をお届けしましたが、一気に桜の開花情報が聞かれそうな陽気になりました。皆様方に置かれましてはお変わりなくお過ごしのこととお喜び申し上げます。

日時:3月15日(日)14:00〜16:30
会場:男女参画共同センター 第T会議室
内容:ドキュメンタリー映画 「弁護士 布施辰治」(98分)


 今回の「集い」で視聴したのは、「生きべくんば民衆と共に、死すべくんば民衆のために」「正しくして弱きものの為に予を強からしめよ」との信念で、弱者やいわれなき差別に苦しむ朝鮮の人々の為に闘い続けた「弁護士 布施辰治」のドキュメント映画でした。参加は少なめの25名でした。

 今も変わらず、「ヘイトスピーチ」と言われる汚い差別用語を大声で叫びながら街中を行進している集団の存在が日本の精神的貧困の象徴ではないかと憂慮されます。  2月22日の「集い」案内に加筆して「弁護士 布施辰治」について紹介させて頂きます。

** 布施辰治弁護士:(1880〜1953)大正10年頃から自由法曹団員として活動。日本労農救援会(後の国民救援会)の中央委員長。三鷹事件弁護団、松川事件弁護士など、常に弱者の立場に身を置いて活動された人です。長男(杜生)は京都大学在学中に学生運動で検挙され、44年獄死(29才)。2004年に日本人として初めて韓国政府より「建国勲章」を受賞。  

** 池田博穂監督:山本薩夫、今井正監督のもとで助監督を務める。主な作品の「時代を撃て多喜二」「赤貧洗うがごとし」「弁護士 布施辰治」は監督の三部作。

** 主演の赤塚真人:映画、テレビに多数出演。絵、歌。落語はプロ並みです。

** この映画で布施辰治氏が弁論するシーンのロケは東日本大震災の五か月前、石巻、北上川河口近く河畔に ある「旧岡田劇館」で撮影されました。エキストラ参加の多く人が被災され、亡くなられた方も多いと聞き ます。 撮影に参加した女川小学校の可憐な少女達の笑顔が今でも目に浮かびます。(ただし映画にそのシーンはありません)

** 共同企画 Tel 03−3812−9215に問い合わされれば、DVDを入手できると思います。

 
 参加者の多くは「弁護士 布施辰治」の名前を初めて耳にされたようです。感想文を紹介します。(順不同)
1 布施さんの事を全然知りませんでした。朝鮮人に強制労働させ、人としての人格を認めない時代に人間味溢れた弁護士さんの生き様に感動しました。
? 日本は戦争を美化し、他国に謝りもしないで、今まさに同じ道を歩もうとしている。何もかも朝鮮人の所為にされてきた人達の側に立って精力的に奔走された弁護士さんの存在を初めて知りました。

3 弁護士さんの名前と生き方を初めて知りました。近代史を学んでいない私にとっては理解できません。おおよそ100年前の事ですが、未来の予告編にならなければ良いがと思います。歴史の記録映画は大切だと感じました。
4 九条の会に初めて参加しました。布施辰治弁護士の事を知ることができました。有難うございます。

5 布施辰治氏の事を知り、涙が止まりませんでした。これからは歴史を少しでも勉強しなければと思いました。
6 今朝のTV「サンデーモーニング」で日本の歴史教育は近現代史をきちんと教えていないのが大きな問題だと指摘されていました。私も勉強不足で理解できないところがありましたが、勉強になりました。

7 武器を防衛装備と言い換え、秘密保護法を制定し、恒久派兵へと突き進む現政権への危惧の念が深まるばかりです。視聴した映画に出てきた朝鮮の人々の闘いが、辺野古の海を守る闘いに重なって見えました。 今の社会のあり様は、今を生きる人々の実態を反映したものである限り、微力でも社会変革の為に尽力したいと思います。

8 戦前の日本にこんな立派な弁護士さんがいたことを知り、驚きました。日朝関係が悪いのは戦前の弾圧と差別を今なお引きづっているのかと考えざるを得ません。
9 戦っても戦っても帝国の権力に踏みにじられて布施辰治はどれほど残念だったか。正論が通じない時代。市議時代、市民の声を届けようと正論をぶつけたつもりでも、上に届かないことに憤りを感じたことを思い出しました。

10 この映画を観て痛切に感じたことは、明治維新からこれまで、日本もテロ国家だったのだと思いました。近代歴史をしっかり学び、アジアの国々に謝罪し友好を深めて、平和な日本にしていくために小さな力でも担えればと思います。

11 布施辰治弁護士の偉業についてはNHKなどの学習したことを記憶していますが、今日の立憲主義否定の雰囲気の中で今回の機会いただき改めて勇気を得ました。有難いことです。

以上   約100年前、日本は隣国「朝鮮」を武力で一方的に併合し、徹底して人権を抑圧した時代でした。その中で「一人だって見殺しにされていい人類などいない」と弱者に寄り添った布施弁護士は、私達に「生きるとは何か」 と語りかけます。

 平和憲法を巡る環境は一段と厳しくなっています。「大村市九条の会」は護憲の裾野を広げるために全力を尽くします。 「平和憲法こそ日本の宝」と周りの方々にお伝えいただきますようお願いをし、併せて来年度も変わらぬご支援、ご指導下さいますよう重ねてお願い申し上げます。  2015年3月18日 大村市九条の会 事務局
 

(掲載日:2015年3月18日)